トップページ | シラバス |  
 
    授業内容詳細

 金融と法 〈金融商品取引法〉
   Financial Institutions and Securities Law
授業科目区分
法学部専門教育科目・企業法系
担当者 大澤 和人(准教授)
グレード G3
テーマ 金融機関の業態と、その事業の内容。
金融機関とその規制。
金融商品取引法とは~企業のファイナンス、資金調達のルールと証券の発行・流通の規制について学ぶ
 - 金融商品取引とは何か
 - 証券とは何か
 - デリバティブ取引とは何か
 - 株式、社債、劣後社債、投資信託、REIT,収益連動債などについて学ぶ
キーワード 決算書を読む,証券の発行開示規制,証券の流通示規制,株式と社債と投信,ハイブリッド証券、リンク債,有価証券届出書,国債と期限の利益喪失事由,クロス・デフォルト条項,コビナンツとは,証券発行の手続きと効力
開講年度
2015
開講時期
配当年次
3・4
単位数
2
コース 2年生 (経済)金融経済コース基本科目(2014年度以降入学生)
3年生 (法)ビジネスローコース基本科目(2012~2014年度入学生)
4年生 (法)ビジネスローコース基本科目(2012~2014年度入学生)

授業の概要 505号室にてExcel演習をします。

金融機関と金融商品取引とそれらの法規制について学ぶ。
そのために、さまざまな金融商品取引、株式、社債、投信、デリバティブ取引、スワップ取引、CDS, 日経リンク債、他社株転換社債、証券化など証券市場で取引される取引や商品を網羅的に扱い、実際に発行目論見書を読んで、証券市場の商品について概要を学ぶ。

金融機関が取り扱う商品・取引であり、証券会社だけでなく金融機関に従事しよう志願する者にとって、有価証券届出書・目論見書の開示の意味やインサイダー取引、相場操縦・偽計取引などの不正取引規制やTOB,株式大量保有、MBOなど証券市場取引全般について、基礎的な学習の場を提供する。

決算書や会社の数字、証券の計算の演習を軸にするので、法律の専門科目であるが、一般私法の基礎知識を前提としない。他学部でも履修が可能である。
履修条件 特になし。
科目の位置づけ・レベルなど 会社法の周辺規則ではあるが、学ぶにあたり、特に基本法の深い知識を要しない。
複雑な法概念はなく、必要な債権法の知識については授業にて補う。
ただし一部に裁判事件を扱うことがあるが、事件の概要を理解すればよい。
授業の到達目標 金融機関の業務と証券の仕組みを理解することが中心となる。
〇一般の民間企業に就業に必要な会社の数字を読むための基礎を身につけるため、上場企業のIR資料から、決算書をすらすら読むことができる。
〇Excelを使って、営業数値から損益計算ができ、貸借対照表との関係を説明できる。
〇株式とは何か、社債とは何か、投信とは何か、リンク債、証券の発行・流通市場とは何か、証券発行開示規制、継続開示規制とは何かを説明できる。
〇さまざまな金融商品取引について、発行目論見書を読んで性格を記述できるようにする。
授業の方法 原則、講義及びExcelを使った証券や決算書の計算演習式でおこなう。
証券や金融商品について説明したうえで、Excel上にて計算演習し、計算結果は毎回Its Classレポート欄に提出する。

Excelでの計算演習をすること、IR資料や、証券の発行開示で使われる発行目論見書を読んでみることになるので、PC教室を利用する。
ICTの活用 全てPCを使った演習形式での授業となる。
証券の分析、IR資料にアクセスして整理する、発行目論見書を読むなど、webとexcelを常時使い、報告書は全てIts Classを使っておこなう。
授業外の学修 授業中に出した演習課題については、復習しつつ、翌週授業前日までに作成して、It's Classに提出することが求められる。
テキスト・参考書 特に指定しない
ItsClass教材欄に必要な教材は、授業前に置く。
法律の科目であるが、金商法・判例百選からの事件を取り上げない。
成績評価の基準・方法 期末試験はしない。
原則、授業内で扱う演習課題につき、翌週までに提出のレポートの質〔7~8回を予定)。
扱ったいくつかの開示事例や証券問題についても、レポート課題を準備する。
複数回以上のレポート提出を単位取得最低基準とする。レポート課題の提出が複数ないない場合には単位取得はできない。
優良な成績を求める場合には、8割のレポートを提出のこと。
(授業に出席しないと、レポート提出が困難な場合が多い)。
履修上の注意事項や修学上の助言など 当初の授業は決算書の読み方など基本をするので、授業を定期的にスキップする場合には、次回出席しても理解できず、レポート提出が出来なくなる。
ネット上からのリファランスのない貼紙をした場合には、提出を無効とする。
教員の研究・人物紹介 研究分野:アメリカの証券法・会社法・破産法・契約法
最近の科研費助成の研究テーマには、Dodd-Frank 金融改革法と30年目の証券法開示責任制度の改革---撤廃された格付機関の証券法11条専門家責任免除ルール
最近の論考に、
〇ノンリコースの幻想:不法行為と契約責任の交錯-ノンリコースcarveout, 不動産wasteと借り手・親会社責任を巡る賠償法理の研究(NBL 943~946)
〇「Dodd-Frank金融取引改革法と30年目の証券法開示責任制度の改革」(2012.1~2012.2)(IBL)
〇バンカメ証券法クラスアクションを読み解く-破綻を防いだ(?!)時効の壁(NBL 961)
〇サブプライムの実相(商事法務2007年12月)
(人物紹介)慶応大学法学部を卒業後、Lehman Brothers, Moody's Investors Service, Bear Stearns, KPMG Financialなどを経て、証券発行のための担保財産のdue diligence支援のdatabase構築と証券開示サービスを専業とする会社を運営した。
今年は Sovereign Debt Restructuring - Aggregationとcollective action clauseの効力について考察している。  
オフィスアワー 火曜日 12:20~12:55 相談ラウンジ(八尾駅前キャンパス4階)
大学院進学(法学系)、公務員試験対策、数学の基礎、キャリアと進路(自己PRなど)


第1回 金融商品取引法とは

何を規制するのか
金融市場と資本(証券)市場
金商法の意義と役割~開示規制と流通市場規制
証券発行と開示と関係当事者
会社法との関連
有価証券とは何か~法の適用範囲
株式とは何か、社債とは何か、投信とは何か、REITとは何か、
スワップとは何か、デリバティブとは何か、証券化とは何か。

第2回 上場企業のIR資料と決算書

Investor Relationとは何か。
どんな資料が提供されているかを知る。
会社の数字を見てみる。
決算書の読み方、貸借対照表と損益計算書を読む。

第3回 証券の発行開示-1

証券発行と発行開示・継続開示
募集・売出の概念
公募と私募
有価証券届出書と効力発生
有価証券報告書
発行目論見書
発行開示の当事者責任
 有価証券発行者の届出の虚偽記載にかかる無過失責任
 証券会社の目論見書交付にかかる過失責任
 届出書代理人 
 公認会計士の役割 
届出免除証券

第4回 実際の社債目論見書を読んでみよう

社債の開示
証券の発行プロセスとdue diligence審査手続き
一括登録制度
発行開示規制
有価証券届出書と発行目論見書
社債の継続開示はあるのか
格付けとはなにか

第5回 社債契約とindenture

社債契約の当事者~社債管理会社の義務 
債務不履行事由と期限の利益喪失事由
クロス・デフォルト条項
国債との違い~期限の利益喪失はあるのか
社債とコビナンツ財務制限条項
 ネガティブ・コビナンツ
 違反と効果
担保条項
表明保証条項
ネガティブ・プレッジ条項
クロス・コラテラル条項
パリパス条項

第6回 劣後社債とは何か

劣後社債とは何か
 ~実際の発行目論見書を読んでみよう
 社債とどう違うか
株式と社債の性質の差異について考えてみよう

第7回 投信とは何か

投資信託とはどんな商品か
投信の契約構造
実際の発行目論見書を読んでみよう
REIT、証券化の構造

第8回 日経リンク、クレジットリンク債

日経リンク債~ノックイン証券とは何か
クレジット・リンク債とは何か
他社株転換社債とは
ハイブリッド証券とは
スワップ・デリバティブと仕組み債
CDSとは何か
実際の日経リンク債の目論見書を読む

消費者訴訟

第9回 信託とは

信託の法的構造について学ぶ
投信の信託の役割
受託者と信託の関係
受託者の責任

第10回 証券の発行開示-2

私募債規制
小額募集と統合開示制度
組織再編の特則
発行開示規制の違反と制裁

第11回 流通市場の継続開示と内部統制

継続開示の意義
継続開示の種類と内容

開示の実効性確保の措置
 確認書 
 内部統制報告書 
 財務諸表作成基準と公認会計士の監査制度

第12回 市場の開示~株式の公開買付け規制

TOB規制はなぜ必要か
規制の範囲
情報開示規制
行為規制

第13回 市場の開示2~大量保有報告制度

5%ルールの規制の概要
変更報告
特例報告
規制違反と制裁

第14回 不正取引~インサイダー取引規制

インサイダー取引規制の意義
インサイダー取引の認定要件
禁止行為と適用除外
インサイダー取引の責任
インサイダー取引の防止措置

第15回 不正取引~相場操縦・詐欺規制

相場操縦とは
相場操縦規制の範囲
安定操作
相場操縦の裁判例

一般の詐欺禁止規定
風説の流布と偽計取引

証券会社の販売業者の不正行為